2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

稲垣満次郎『南洋長征談』

稲垣満次郎 『南洋長征談』 東京, 安井秀真, 明治26(1893)年, 84p.<本文>稲垣満次郎は長崎生まれの外交官である(タイ駐在公使だった1900年には、釈迦の遺骨の日本将来に際して中心的な役割を果たした)。ケンブリッジ大学への留学経験を持ち、早くから…

#33

2008.7 Chichibu, Japan. 世界は逆さまなんだ、おもしろいね、世界はクレージーな映画なんだ。 ジャック・ケルアック『荒涼天使たち』 大きな地図で見る 荒涼天使たち〈1〉作者: ジャックケルアック,Jack Kerouac,中上哲夫出版社/メーカー: 思潮社発売日: 19…

#32

2005.5 Tokyo, Japan. すべてがひそかにうまくいっている世界の狂暴さのもとには荒涼はないのだ。 ジャック・ケルアック『荒涼天使たち』 大きな地図で見る 荒涼天使たち〈1〉作者: ジャックケルアック,Jack Kerouac,中上哲夫出版社/メーカー: 思潮社発売日:…

『海豹島出張員復命書』

『海豹島出張員復命書』 樺太民政署, 明治40年2月, 22p.<本文>今回ご取り上げるのは、樺太民政署が出した職員の出張復命書である。 樺太民政署は、明治38年8月から40年3月まで置かれていた南樺太を所管する行政機関で、大泊(コルサコフ)に置かれていた(…

#31

2008.2 Tokyo, Japan. おお、黄金の永遠よ、あなたの表情のなかのなかのにやにや笑するものたちよ、そいつらをひっつかまえて永遠に真実であるあなたの奴隷にせよ―ぼくをわが人間の変節を赦し給え。 ジャック・ケルアック『荒涼天使たち』 大きな地図で見る …

野沢濶『記事紀行文』

野沢濶 『記事紀行文』大阪, 岡本偉業館, 明治37(1904)年, 247p.<本文>本書は旅行記ではなくエッセイ集なので、本来であればこのシリーズで紹介することはないのだが、読んでみると著者の野沢にもヨーロッパへの留学経験があったことが分かる。ここでは…

渋谷政雄『南洋便覧』

渋谷政雄編 『南洋便覧』 シンガポール, 南洋便覧編纂所, 明治44(1911)年.<本文>今回は、明治末期にシンガポールで刊行されたマレー半島(ボルネオも含む)のガイドブックを取り上げる。 このガイドブックはその名に相応しく、各都市の写真、マレー語会…

気賀秋畝『暹羅土産 仏骨奉迎』

気賀秋畝 『暹羅土産 仏骨奉迎』 京都, 仏骨奉迎写真発行所, 明治34(1901)年.<本文>名古屋に覚王山日泰寺という寺院がある。1904年に日本とタイの修好の象徴として建立された超宗派の寺院である。この寺には、1898年にインド北部で発見された釈迦の遺骨…

写真展「鴻爪-KOUSOU」展示リスト

2008年11月にコイデカメラ阿佐ヶ谷店で開催した写真展「鴻爪-KOUSOU」の出展作品のリスト。 鴻爪-KOUSOU 2005.5 Tokyo, JAPAN. 1999.2 ChiangSaen, THAILAND. 2001.3 Champasak, LAOS. 2001.3 Mekong River, LAOS. 2001.12 Varanasi, INDIA. 2001.12 Varanas…

宮崎季樹『生蕃紀行』

宮崎季樹 『生蕃紀行』 木佐木村(福岡県), 宮崎季樹, 明治34(1901)年.<本文>明治28(1895)年の馬関条約(下関条約)で台湾は名実ともに日本の植民地となった。その台湾統治において問題となった一つに「生蕃(後には高砂族とも)」呼ばれた台湾原住諸…

浅沼藤吉『欧米周遊略記』

浅沼藤吉編 『欧米周遊略記』 東京, 浅沼商店, 明治34(1901)年, 11+10p.<本文>浅沼藤吉は1870年に東京で、外国商館から写真材料を仕入れて販売する写真材料商・浅沼商店(現・浅沼商会)を開業し、明治の写真界で指導的な役割を果たした人物である(顧客…

海野鉚吉『征清従軍日誌』

海野鉚吉編 『征清従軍日誌』 豊田村(静岡県), 海野鉚吉, 明治28(1995)年, 90p.<本文>「戦争」というものは色々な側面があるものだが、(決して幸福な形ではないが)「越境」の一つのスタイルであることは間違いない。 海野は、日清戦争に従軍した野戦…

写真展「蒼― Blue in Ladakh 」出展リスト

2007年9月に阿佐ヶ谷calcutta cafeで開催した写真展「蒼― Blue in Ladakh」の出展作品のリスト。 蒼― Blue in Ladakh ラダック旅行記2006

写真展「鴻爪」終了

「鴻爪−KOUSOU」 期間 :11月1日(土)〜15日(土) 9:00-21:00 場所 :コイデカメラ阿佐ヶ谷店フォトスペース * Art work by trinograph 本日をもって、無事終了しました。来てくださった皆さん、どうもありがとうございました。出品した写真リストは…

南条文雄『印度紀行』

南条文雄 『印度紀行』 京都, 佐野正道,明治20(1887)年, 59p.<本文>南条文雄(1849-1927)は、岐阜県生まれの仏教学者。国内で幅広い学問を収めたのち、1876年にオックスフォード大学のマックス・ミューラーのもとでヨーロッパにおける近代的な仏教研究…

鳥尾小弥太『洋行日記』

鳥尾小弥太 『洋行日記』 東京, 吉川半七, 明治21(1888)年, 51p.<本文>長州藩士として戊辰戦争で各地を転戦し、維新後は陸軍を中心に要職を歴任した鳥尾小弥太(1847-1905)は、国防会議議員であった1886年2月より欧州出張に赴いた。本書は、横浜からイ…

CCoN写真展2005出展リスト

2001.3 Champasak, Laos. 2001.12 Varanasi, India. 2004.3 Negombo, SriLanka. ※もう一枚は掲載自粛

CCoN写真展2006出展リスト

2005.5 Tokyo, Japan. 2001.12 Varanasi, India. ※もう一枚は画像ファイルがないため掲載せず。

CCoN写真展2007出展リスト

2006.2 Ladakh, India. 2006.2 Ladakh, India. 2006.2 Ladakh, India. 2006.2 Ladakh, India.

CCoN写真展2008出展リスト

2006.3 Delhi,India. 2006.12 Bagan, Myanmar. 2007.6 Ubud, Bali. 2007.10 Sichuan, China.

大橋乙羽『欧米小観』

大橋乙羽 『欧米小観』 東京, 博文館, 明治34(1901)年, 214+40p.<本文>大橋乙羽(又太郎、1869-1901)は、博文館主人となった明治33(1900)年、ヨーロッパ・アメリカを巡る外遊へと出発した。その際の詳細は、彼の旅行記『欧山米水』(博文館, 明治33年…

高田善治郎『出洋日記』

高田善治郎 『出洋日記』 京都, 川勝鴻宝堂, 明治24(1889)年, 46p.<本文>本書は、イギリス・アメリカとめぐり、明治22(1887)年に帰国した高田善治郎(滋賀県出身)の旅行記である。緒言によると、その外遊の全体をカバーした旅行記を考えていて、その…

有文館『愚仙画報風景の巻』

有文館編 『愚仙画報風景の巻』 京都, 有文館, 明治45(1912年)年.<本文>山内愚僊(愚仙、1866-1927)は、東京の生まれで、明治23年に大阪毎日新聞社に就職。洋画家として関西の画壇で活躍し、明治34年の関西美術院の創立にも携わった人物である。 本画集…

林董『有栖川二品親王欧米巡遊日記』

林董編 『有栖川二品親王欧米巡遊日記』 東京, 回春堂, 明治16(1883)年, 58p.<本文>有栖川二品親王とは、有栖川宮熾仁親王(1835-1895)のこと。「二品」とあるのは、父・幟仁親王が弘化4(1847)年に、二品・中務卿となったことによるものだろうか(熾…

三上久満三『欧米新旅行』

三上久満三 『欧米新旅行』 東京, 精華堂書店, 明治41年, 179p.<本文>著者の三上久満三なる人物については、詳しいことは全くわからない。ただ、明治30年代の前後、アメリカに8年、ヨーロッパに3年滞在したことが、本書を読めば分かるばかりだ。 三上の関…

松本真彦『旅ころも 一かさね』

松本真彦 『旅ころも 一かさね』 宇都宮町, 吉田亀次郎, 明治23(1890)年, 11丁.<本文>松本真彦(虎蔵)は、宇都宮の人である。生年ははっきりしないが、元号が明治になる少し前の頃に生まれたようだ。 恩師の橘道守によれば、彼は幼い頃から勉学に励んだ…

武内紹人「チベット文明のユニークさと普遍性」

少し前に出た、武内紹人「チベット文明のユニークさと普遍性:古文書研究の視点から」(『図書』2008 年 10 月号)は、チベット問題を考える上で、必読の文献だと思う。 2001.11 ラサ・デプン寺 ここで、武内氏はチベット古文献学の最新の研究成果を踏まえつ…

松本伴七郎『故野中平助君著 欧米紀行』

松本伴七郎編 『故野中平助君著 欧米紀行』 松本伴七郎, 明治27年(1894)年.<本文>野中平助という青年がいた。埼玉県出身。とはいえ、明治26年に27才の若さでこの世を去ってしまったので、彼を知る人は、殆どいないだろう。本書は、野中の早世を惜しんだ…

ゴルムドにて(2)

出発は昼過ぎになると言う。 「あまり外をブラブラするなよ!公安に見つかると厄介だしな!」 男達は何度も念押ししたが、俺は無視することにした。 「見つかって困るのは、公安よりも商売敵だろ?」 と日本語で言い残して、俺は敦煌で買った人民解放軍コー…

写真展「鴻爪」本日より

お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。 「鴻爪−KOUSOU」 期間 :11月1日(土)〜15日(土) 9:00-21:00 場所 :コイデカメラ阿佐ヶ谷店フォトスペース * Art work by trinograph ここ10年間の旅先で撮りためた写真から、14枚出展します。 …