東洋史

関東大震災と敦煌文献(メモ)

内務省社会局編『大正震災志』下, 東京, 内務省社会局, 1926年. 附録 第一篇 藝術品並に史的古物及古典籍の損害 日本橋区 菊地長四郎氏(元濱町)は、火勢の遂にいかんともすべからざる窮極に立ち至るや、新獲の蘇東坡寒食帖の一巻と、李公麟瀟湘臥圖巻、崋…

国立国会図書館所蔵太湖庁檔案(メモ)

最終更新日2023/6/10 概要 檔案とは、中国の政府機関が政務運営のために発行・保管してきた文書。このうち、地方の行政機関の檔案(地方檔案)は、為政者の事情にかかわらず地方行政手続きがそのまま記録されている場合が多く、何らかの事柄を後世に伝えるこ…

国立国会図書館所蔵敦煌文献(メモ)

国立国会図書館所蔵の敦煌文献に関するメモ。適宜追記していく(最終更新日:2023/11/25)。 敦煌文献一覧*1*2 WB32- 1(M) 金剛般若波羅蜜経(写1巻)×○ 濱田徳海旧蔵。 WB32- 2(D) 金光明最勝王経 巻第9(写1巻)×○ 濱田徳海旧蔵。 WB32- 3(M) 金録晨…

曽布川寛・吉田豊『ソグド人の美術と言語』

ソグド人の美術と言語作者: 曽布川寛,吉田豊出版社/メーカー: 臨川書店発売日: 2011/03/01メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (4件) を見る 第1章 ソグド人とソグドの歴史 (吉田豊) 第2章 ソグド人の壁画 (影山悦子) 第3章 ソグド人の…

「歴史学コミュニケーション」に関する公開書簡

先だって先生から、私のblogエントリー「内陸アジア史学会50周年記念公開シンポジウムに参加」を受けて、「言いたいことがあれば知らせるように」というお言葉を頂いたのですが、漠然と頭の中にあった事柄をなかなか言葉に置き換えることができなかったため…

荒川正晴『ユーラシアの交通・交易と唐帝国』

大学・大学院時代の指導教官だった荒川先生の、これまでの研究成果の集大成(2008年に大阪大学に提出した博士論文がベース)とも言うべき一冊となれば、9,500円という値段に躊躇することなど許されようか。ということで購入。「旧来の研究の枠組みだけでは処…

マニ教徒の図書館

マニ教 (講談社選書メチエ)作者: 青木健出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/11/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (13件) を見る著者は、久しぶりに日本に現れたの気鋭の古代イラン学者で、近年立て続けに…

内陸アジア史学会50周年記念公開シンポジウムに参加

今年の内陸アジア史学会は50周年ということで公開シンポジウム形式で開催されたのですが、恩師より「最終講義代わりに講演するので聴きに来るように」というメールが来たので、参加してきました。 森安孝夫(大阪大学)「モンゴル時代までの東部内陸アジア史…

【告知】内陸アジア史学会50周年記念公開シンポジウム

恩師から案内を頂いたので、参加予定です。 「内陸アジア史研究の課題と展望」(日時:2010年11月13日(土)13:00〜17:30 会場:早稲田大学小野記念講堂) 基調講演 13:10〜14:30 -森安孝夫(大阪大学)「モンゴル時代までの東部内陸アジア史:実証研究…

ギャラリー アル・スィラージュ

tripinteriorを主催する友人kpita。旅仲間ではあるのだが、鄙びた民具愛好家として各所で「ガラクタ」を漁り、なぜか旧家の改装まで自分でしてしまう風変わり…否、もとい粋な男である。 今回の仙台行、流れで彼の実家兼会社を訪ねたのだが、それがまた粋。そ…

南条文雄・高楠順次郎『仏領印度支那』

南条文雄・高楠順次郎 『仏領印度支那』 東京, 文明堂, 明治36(1903)年, 185p.<本文>日本の東洋学における明治という時代は、欧米の東洋学と従来の漢学の素養をベースにした独自の東洋学を構築し、世界の東洋学界に地位を築こうとしていた時期だったと言…

都市と環境の歴史学:5年間の成果

少し前になりますが、国際シンポジウム「都市と環境の歴史学:5年間の成果」(2009年3月14日/15日、中央大学駿河台記念館)に部分(一日目のみ)参加してきた。 この催しは、日本学術振興会科学研究費・基礎研究(S)「歴史学的視角から分析する東アジアの都…

【告知】国際シンポジウム“都市と環境の歴史学:5年間の成果”

中央大学の妹尾達彦先生から案内を頂きました。興味深い内容ですし、一般開放(事前申込不要)かつ無料イベントなので、参加する予定です。 ○国際シンポジウム“都市と環境の歴史学:5年間の成果” 会場 中央大学駿河台記念館(JR御茶ノ水駅南徒歩5分)6階会議…

「東洋史学の危機」と第3回ARGカフェ&フェスト

昨年に大学の同級生で博士論文を準備していた友人が思わぬ形で自らの研究に幕を下ろしたり、母校の研究室にたまに帰っても昔とそう変わらない面々が研究に打ち込んでいる姿を見たりして、漠然と「人文系の学問の危機」なんていうことを柄にもなく考えていた…

武内紹人「チベット文明のユニークさと普遍性」

少し前に出た、武内紹人「チベット文明のユニークさと普遍性:古文書研究の視点から」(『図書』2008 年 10 月号)は、チベット問題を考える上で、必読の文献だと思う。 2001.11 ラサ・デプン寺 ここで、武内氏はチベット古文献学の最新の研究成果を踏まえつ…

中央アジア学フォーラム 2008/9/20

2008/9/20の中央アジア学フォーラムでの発表レジュメ(資料紹介)を転載します。 http://www.let.osaka-u.ac.jp/toyosi/caf/caf-j.html 【資料紹介】 山西省北朝文化研究中心、張慶捷、李書吉、李鋼(編)『4-6世紀的北中国与欧亜大陸』、科学出版社、2006年…