2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧
昨年に大学の同級生で博士論文を準備していた友人が思わぬ形で自らの研究に幕を下ろしたり、母校の研究室にたまに帰っても昔とそう変わらない面々が研究に打ち込んでいる姿を見たりして、漠然と「人文系の学問の危機」なんていうことを柄にもなく考えていた…
2004.3 Negombo, Sri Lanka. 旅行者の自由など、人間性を形づくるものをひとつまたひとつと麻痺させていき、そんな切断作業を知恵と呼ぶ賢者たちの自由と変わりはしない。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場…
2008.5 Bukhara, Uzubekistan. 「とどまる」ためには、自分の住まいと恥じずに言えるためには、真の力を愛さなくてはいけない。本当の旅行者、本当の逃亡者というものは、だから、人間の無力さのとるに足りない証人なのだ。 ポール・ニザン『アデン、アラビ…
2004.3 Nuwara Eliya, Sri Lanka. 旅行者は、同じひとつの部屋にずっと住むことのできる人々の敵だということはもちろん誰もが知っている。人間たちは旅行者に対しては水を通さない球体のようにぴっちり閉じられている。旅行者は偶然から親切にしてもらえる…
2006.12 Yangon, Burma. 旅行者の前では窓という窓が閉ざされている。旅行者ってやつは行く先々で、出発した方がいい、旅行に行った方がいいとひとに勧める義務があると思っているからだ。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、ア…
2006.3 Delhi, India. 旅行者はどうしても、家を見ても、そこに住んで老いてゆく人たちは見ないで、単なる建築的な好奇心から、いろんな色をした壁だけを見てしまう。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池…
2001.11 Mount Everest Base Camp, Tibet. 着いた。得意がるほどのことではない。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)作者: ジャンルオー,ポールニザン,北代美和子,小…
2006.12 Bagan, Burma. 誰もがそうだったように、こうした旅行連中もまた、組織的な力に鼻先を引き回されながら、自分の情熱、行動、言葉、仕事、愛についてなにひとつ理解できないような歳月を生きていたのだ。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな…
2007.6 Mt.Batur, Bali. 革命を待ちながら、ユートピアは旅をする。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)作者: ジャンルオー,ポールニザン,北代美和子,小野正嗣出版社/…
Hi! CHINA vol.1 Chengdu, 2007.10 Hi! CHINA vol.2 Chengdu, 2007.10 Hi! CHINA vol.3 Chengdu, 2007.10 Hi! CHINA vol.4 Chengdu, 2007.10 CCoN写真展2005-2008出展リスト
2001.3 Mekong River, Laos. 旅って言葉にまだどんな意味があったって? このパンドラの箱には何が入っていたかって? 自由、無私無欲、冒険、充実感。多くの不幸な人の手には届かず、カトリックの青年たちにとっての女性がそうであるように夢のなかで手に入…
2001.12 Kathmandu, Nepal. 逃げ道ならいくらでもあった。どこにも行き着かないドアならいくらでも。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)作者: ジャンルオー,ポールニ…
2004.3 Colombo, Sri Lanka. 誰もが自分のやり方で脱出を確実にしたいと思うものなのだ。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)作者: ジャンルオー,ポールニザン,北代美…
1999.2 Chiang Saen, Thailand. 僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない。 ポール・ニザン『アデン、アラビア』 大きな地図で見る アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)作者: ジャンルオ…
以前告知した「国立国会図書館長=情報工学者・長尾真のシリーズ対談:図書館は視えなくなるか? ―データベースからアーキテクチャへ」第1回、池上高志氏との対談「自律進化するデータベースはつくれるか」(於d-labo、2月12日)に行ってきた。 恥ずかしなが…
朝、目が覚める。 外はまだ暗い。しゃべり疲れたドミトリーの住人たちはまだ眠っている。起こさないように静かにセーターを着込んで、Gパンをはく。敦煌で買った人民解放軍払下げの羊毛コートを羽織り、スニーカーをはく。ニット帽をかぶり、軍手をつける。…
これまで<旅>と<図書館>の関わりについて何度か取り上げているが、もう一つその前提となるべきものへの言及を怠っていた。 それは、<旅の図書館>。「"テーマのある旅"を応援する」という理念の下、財団法人日本交通公社が運営する、恐らく日本で唯一の…
2005.8 Tomigaya, Japan. これでいいのさ。気楽に考えろ。すべてはうまくいってる。物事を深刻に考えすぎるな。今のままでもう充分大変なんだ。きみがいつも言ってたように頭の中の観念にはまりすぎなくてもね。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最…
2008.4 Asagaya, Japan. 寝返りをうとうとすると世界もいっしょに丸ごと寝返ってくる。でも反対を向いたところで何もいいことなんてないのだ。ここからはぬけ出せないんだ。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最後の路上』 大きな地図で見る ビッグ・…
2008.5 Tashkent, Uzubekistan. ぼくはただの馬鹿なよそ者で、自分にとって大切なことを何もせずに、他のよそ者たちと間抜けなことをしてるだけということなのだろう。いつだって西海岸にはちょっと顔を見せるだけの「お客様」で、そこで誰かの人生と真剣に…
2001.3 Champasak, Laos. いいことならなんでもすべてオープンだなんて、神様と肩をならべた造物主気取りね。でもきれいごとを言いながら考えてるのは裏腹なことなの。そんな調子であなただって気分さわやかなんでしょ。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サー…
2001.11 Gyantze, Tibet. 道のほうは動きやしない。動いていくのは俺たちなんだ。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最後の路上』 大きな地図で見る ビッグ・サーの夏―最後の路上作者: ジャックケルアック,Jack Kerouac,渡辺洋,中上哲夫出版社/メーカ…
2006.2 Leh, Ladakh. 人間はせわしない小さな生き物、すてきな小さな生き物さ。あれやこれやと考えて、糞にもなりゃしない。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最後の路上』 大きな地図で見る ビッグ・サーの夏―最後の路上作者: ジャックケルアック,J…
2001.12 Kolkata, India. ぼくたちは人生に囲まれながら、人生を理解することはないだろう。だから何もかもひとまとめにしてスコッチといっしょにらっぱ飲みにして、空になったら車から駆け降りてもう一本買うというわけだ。 ジャック・ケルアック『ビッグ・…
2006.5 Shibamata, Japan. ぼくは馬鹿でかいみじめなリュックサックを背負って道路に立っている。巨大な黒い崖の下の浜辺に幾夜もすわっていたから、おそらくひきつった表情を浮かべていることだろう。行楽客たちは彼らの夢見る休暇とまったく正反対なものを…
2001.12 Varanasi, India. 世界はただあるがままに、動き、通りすぎていく。長い目で見ればそれでいいわけだし、文句をつけることもない。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最後の路上』 大きな地図で見る ビッグ・サーの夏―最後の路上作者: ジャッ…
2001.3 Champasak, Laos. 開こうが閉まろうが、戸というものが許してくれるだけのものが見えるというわけだ。 ジャック・ケルアック『ビッグ・サーの夏−最後の路上』 大きな地図で見る ビッグ・サーの夏―最後の路上作者: ジャックケルアック,Jack Kerouac,渡…
2001.12 Kathmandu, Nepal. 「さっさと行かないとぼくはダメになるぞ」ぼくははね起き、逆立ちして毛の生えた脳みそに血を送り返し、廊下にあるシャワーをあび、Tシャツや靴下や下着をかえて気合を入れて荷物をまとめ、リュックをひょいと持ちあげ受付にキー…