2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

坂の多い街にて

俺の名前はシン。22歳だよ。近くのダラムコットの生まれさ。高校を出てすぐこのホテルに来たから、もう3年になるな。オーナー一家も住んでるけど、実際に取り仕切ってるのは俺だよ。この辺じゃまだ新しい方だからいろいろやんなきゃいけないのに、全部俺にや…

旅の終着地へ

初めてチベットに足を踏み入れたのは、2001年の秋。本来であればユーラシアを西進するはずだった旅が南下を余儀なくされた結果としての、言わば「偶然」の旅だった。けれども、そこで出逢った蒼い空と色鮮やかなタルチョと、そしてその下で一心に祈りを捧げ…

チベット文献図書館を訪問

仕事柄、旅行先で「Library」という言葉を目にすると、どうにも気になって仕方ない。僕の同僚にもそういうヒトは多いから、これも一種の職業病の一つかもしれない。 今回のダラムサラ訪問でも、ガイドブックに「チベット文献図書館」という言葉を見つけた途…

vol.11

2010.1 Harajuku, Tokyo. 大きな地図で見る

学術情報流通に関わる機関・企業による新春懇話会に参加

ちょっと前の話になるが、1月20日に国立情報学研究所にて開催された学術情報流通に関わる機関・企業による新春懇話会なる会合に参加してきた。個人で。 仕掛け人の一人であるid:argさんも書いているとおり、非公開の集まりなので内容についてはコメントしな…

#96

2009.9 Helsinki, Finland. 東風が強くなった。自分は羊と宝物の間で迷っている、と少年は思った。彼は今まで慣れ親しんできたものと、これから欲しいと思っているものとどりらかを、選択しなければならなかった。 パウロ・コエーリョ『アルケミスト:夢を旅…

#95

2009.9 Helsinki, Finland. 世界は大きくて、無尽蔵だった。しばらく羊たちに、行き先を自由にまかせておけば、彼は何かおもしろいものを見つけ出した。問題は、羊たちは毎日新しい道を歩いているということに、気がついていないことだった。彼らは新しい場…

#94

2009.9 Suomenlinna, Finland. 少年は父親の目の中に、自分も世界を旅したいという望みがあるのを見た。それは、何十年もの間、飲み水と食べるものと、毎晩眠るための一軒の家を確保するために深くしまいこまれていたものの、今もまだ捨てきれていない望みだ…

#93

2009.9 Suomenlinna, Finland. 世界中から旅人がこの町を通り過ぎていったではないか。彼らは何か新しいものを探しに来る。しかし、帰る時も、彼らは基本的には来た時と同じままだ。彼らは城を見るために山に登る。そして、私たちが今もっているものより、昔…

新年のご挨拶:2010年

明けましておめでとうございます。 旧年中は本blogをご愛読?頂きありがとうございました。本年も何卒よろしくお願いいたします。 昨年の後半から色々と立て込んできて更新頻度が落ちてしまいましたが、今年は何とか回復させたいものです。 *1 *1:写真(相方…