有文館『愚仙画報風景の巻』

有文館編 『愚仙画報風景の巻』 京都, 有文館, 明治45(1912年)年.

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山内愚僊(愚仙、1866-1927)は、東京の生まれで、明治23年大阪毎日新聞社に就職。洋画家として関西の画壇で活躍し、明治34年関西美術院の創立にも携わった人物である。
本画集は、山内がヨーロッパに遊学した際の往路に立ち寄ったスケッチをまとめたもので、上海コロンボジョホール香港スエズ運河などのスケッチ13枚が収められている。「はしがき」によれば、元は大阪朝日新聞に大好評をもって連載された画報で、掲載されたもののうち、風景を扱ったものばかり選んだもののようだ(人物編も後から刊行予定とのことだったが、見当たらない)。
一筆でサラッと画いたような、なんともゆるいスケッチだが・・・