旅のフォトコンテスト「世界遺産」

ネットサーフしていたら何となく目に入ってきたWeb写真コンテストに応募してみた。
Windows Live × 4 Travel 旅のフォトコンテスト テーマ「世界遺産」(応募期間 2009.3.2-4.30)
結果だけ言ってしまうと、ご覧のとおり一切引っかからなかった。まぁそんな気はしていたので、特にそれ以上の感想は無い。
ところで、僕は、目の前にあるそれらが世界遺産であるかどうかということは、あまり意識したことがない。なので、それなりに旅を繰り返しているわりには、「これぞ世界遺産です」というような写真はそう多くない。今回のコンテストに応募してみようかなと思ったときに写真を見直してみて、「そう言えばこれは世界遺産だったな」と気付いてピックアップしたのが次の3枚。

2001.3 チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群(ラオス


チャンパサックの街から南西へ8km。30分ほどオンボロ自転車を走らせたところに、ワット・プーはある。半ば崩れた階段を登ると、眼下には雄大な平原と大河メコンが広がる。木陰で汗を乾かしていた僕に、少女が微笑みながら、すっと一輪の菩提樹の花を差し出した。
時が止まったかのような、世界のめまぐるしい動きとは隔絶された空間。僕の好きな場所の一つだ。

2004.3 ゴール旧市街と要塞群(スリランカ


ゴールは、遥かに広がるインド洋にせり出した要塞に守られた静かな街だ。植民地支配が終わりを告げ、主を失った要塞は、今では旧市街の人々の生活の中に溶け込んでいる。健康のためにヨーガやランニングをする人。犬の散歩やお喋りに来る人。そして、移動で疲れた身体を休める旅人。
僕の訪れた翌年、大津波がゴールを襲った。けれども、要塞に守られた旧市街は殆ど被害がなかったという。その役目までは失っていなかったのだ。

2006.3 デリーのフマユーン廟(インド)


けたたましく人と車が行き交うデリーの街の喧噪から切り離された静謐な空間に、フマユーン廟は佇んでいる。16世紀、階段から転げ落ちてあっけなく死んでしまった皇帝のために、その王妃が建てた墓の美しい赤と白は、褐色の北インドの大地と人々の間でよく映える。
デリーの灼熱の昼下がり。廟を囲むよく手入れの行き届いた公園の木陰で、僕はムガール帝国の夢の名残に思いを馳せた。