旅行記:カンボジア編

旅の位置づけ

翌日、再び船でプノンペンに戻った。さすがに二度目ともなるとテンションも上がらない。屋根でひたすら昼寝したり駄弁ったりして過ごしていた。事件らしい事件と言えば、ノリオが脱いでおいた靴を河に落としてしまった位だ。もっとも、このお蔭で飛行機の出…

そして悪ノリする三人

シェムリアプ二軒目のゲストハウスのオーナーは、まだ若い男(20代後半だったかと記憶している)だった。老舗日本人宿で修業を積んで独立、少し前にこのゲストハウスをオープンしたらしい。日本語も達者で、(恐らくどうしようもないバックパッカーを見てい…

遺跡巡りの果てに

今回の旅の旅程を組む時に、ケンタロウとノリオという二人の道連れに、「プノンペンで一泊した後は、ずっとアンコール」とだけ言っていた。旅慣れない二人は「あっそう」と気にも留めていなかったのだが、アンコール遺跡のパスが三日しかないということがポ…

とある村にて

今回の旅でケンタロウから「どうしても訪れたい」と言われていたのが、写真家・一之瀬泰造の墓である。 一之瀬泰造については今さら贅言を尽くすまでもないだろう。1972年からカンボジア内戦の取材を行い、多くの戦場写真を配信したが、1973年、当時クメール…

21世紀のアンコール・ワット参詣

アンコール・ワットが「発見」されたのは、1860年1月22日だとされている。もちろん、本当に発見されたのではなくて、アンリ・ムオー(Henri Mouhot, 1826ー1861)というフランス人の探検家がインドシナのジャングルに分け入ってそれを目の当たりにし、その体…

プノンバケンの丘から

今はどうなっているのか知らないが、私たちがアンコール遺跡を訪れた頃は、バイク・タクシーをチャーターして遺跡巡りをする人が多かった。アンコール・ワットを中心に大小様々な遺跡が広大な地域に点在していて、とてもではないが徒歩では回れないのだ。バ…

トンレサップ・クルージング

私の友人がタイ・ベトナム・カンボジアを周遊する卒業旅行から帰ってきたときのことだ。自分はラオスへの単独卒業旅行直前だったので、参考までに色々と話を聞いていたのだが、その中で彼が語った一言が私のハートに突き刺さった。 「プノンペンからシェムリ…

プノンペンの陽炎

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)というフランス人が、かつてカンボジアを訪れた際にこの地に溢れる原色のエネルギーとタフな人々に魅せられて、≪DOGORA≫というドキュメンタリー映画を作った。 この映画で、ルコントは淡々とカンボジアの街や村を流れ…

旅の発端

2001年のゴールデン・ウィークのことだった。いつものように昔のツレと遊んだ帰りの車内、助手席に座っていたノリオが呟いた。 「夏休み、どこかに旅行に行かへんか?」 彼は、何年かの長い雌伏の時―世間では浪人と呼ぶ―を経て、ようやく訪れた大学生活も二…

カンボジア三人旅2001_旅地図

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「男三人旅」持っていった本

岩波講座 東南アジア史〈2〉東南アジア古代国家の成立と展開作者: 池端雪浦,石澤良昭,後藤乾一,桜井由躬雄,山本達郎,石井米雄,加納啓良,斎藤照子,末広昭出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2001/07/30メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見…