ブハラへ

シャフリザーブスからブハラまでは、平坦な砂漠をつっきる道を、車で4時間ばかりの行程である。
このブハラは、かつてはソグディアナ有数の都市として名を馳せ(中国の史書では「安国」と記され、ここにルーツを持つソグド人は「安」姓を名乗った。例:安如宝)、モンゴル軍の襲来・破壊を挟んで、その後も中央アジアの一大拠点として栄えた街である。

さて、サマルカンドから我々を運んでくれている車のドライバーは、「ホテルのスタッフのおじさん」という肩書きのなかなかダンディーなご老人だった(もちろん英語は通じない)。車も悪くないし、安全運転だし、申し分のない道中だったのだが、唯一困ったのは、そのドライバー氏がシャフリザーブスからブハラまでの道順を把握していなかったことである。分かれ道に行き当たる度に道を尋ね、しばらく真っ直ぐ行っては不安になって道を確認しで、後部座席の我々としては不安で仕方なかったのだが、当初の到着予想時間からそう遅れることなくブハラに着くことができた。
ブハラでの宿は、Hotel ZARGARON。ブハラの名物カラーン・ミナレットのすぐ下にある瀟洒なホテルである。レセプションで部屋があるか尋ねたら、一部屋だけ折よく空いたところだというので即決した。
ホテルが決まると、ドライバー氏は一仕事を終えた満足そうな笑みを浮かべて帰っていった。帰りはサマルカンドまでダイレクトで行くだろうから、さすがに道を尋ねなくてもよいだろう。

ところで、ウズベキスタンの車はガソリンではなく、プロパン・ガスを燃料として動いている。この国が天然ガス資源に恵まれていることは知っていたが、車も全てガス仕様になっているとは想像していなかったので驚いた(シャフリザーブス〜ブハラ間のカルシという街に大きな天然ガスの採掘工場がある)。ということで、写真を載せておきます。