土産天国×熱暑地獄

ブハラはなかなか過ごしやすい街だと思う。

噴水の気持ち良いリャビ・ハウズを中心に。土レンガ作りの路地の込み入った旧市街のあちこちにキャラバンサライ(隊商基地)やモスク、メドレセが点在しているのだが、通りの店舗だけでなく、キャラバンサライやメドレセの中は土産物売りの露店で溢れ返っている。とは言え、インドや東南アジアの観光地のような執拗さは、ここにはない。「どう?」と声をかけられて「いいよ、後で」と答えると、スッと引いていく爽やかな後味だ。逆についつい買ってしまう。
比較的小さなエリアに見どころやホテル、レストランといったツーリストに必要なインフラが集中しているので、歩きやすい。いわゆる「沈澱しやすい要素」がそろっている。しかし、困ったことがないわけではない。
砂漠の街なので、昼間は5月にして尋常ではない暑さなのだ。そのため、我々も、昼間はキャラバンサライの中(これが涼しい)でやっていたウズベク・ワインのテイスティングでしたたかに酔っぱらい、夜は夜でリャビ・ハウズの側のレストランでウズベク・ビール(アルコール14%)で更に酔っぱらうという一日を過ごすこととなったのであった。

すでにお気づきかと思うが、つまりは、ここにはソグドの痕跡は何一つなかったのである。こうなると、私としても楽しむことに集中せざるを得ない。