『観光文化』243号「特集:観光と図書館~地域の観光に図書館はどう寄与できるか~」
日本交通公社が刊行している『観光文化』243号(2019年10月)の特集が「観光と図書館~地域の観光に図書館はどう寄与できるか~」だった。中心となったのは、ここでも紹介した旅の図書館の吉澤清良氏と大隅一志氏のお二人のようだ。
こういった特集が組まれたことを、まずは素直に評価したい。ここでも内容を簡単に紹介しておこう。
「図書館を取り巻く動向と観光振興」を整理した上で、高山市図書館「煥章館」や八戸ブックセンター、恩納村文化情報センター、奈良県立図書情報館、甲州市立勝沼図書館、小布施町立図書館、千代田区立千代田図書館、東近江市立八日市図書館、伊那市立高遠町図書館といった事例を紹介し、奈良大学の嶋田学氏と文筆家の猪谷千香氏という最近業界で話題の方々の対談で話を広げ、「観光と図書館~地域の観光に図書館はどう寄与できるか~」で視座を示す…という構成になっている。
個人的には、コラム「半世紀以上も前に提唱されていた“観光と図書館”」として、ここでも紹介した和田万吉や南益行の(エッセイに近い)論文が紹介されているのも嬉しいところ。残念なところがあるとすれば、近年最初に南益行に再注目したであろうこのブログとまでは言わないまでも、『図書館雑誌』2012年8月号に寄稿した拙稿を参考文献に挙げるくらいのことはしてほしかった…という点(そもそも、当該号の特集は「観光ポータルとしての図書館」だったのだが、それへの言及もない)。
- 「再びオランダへ」(2019/3/29)
- 「汽車中の図書室 簡単なる旅中の伴侶」(2017/5/26)
- 和田万吉の「旅客の為めに図書館」(2012/8/15)
- 『図書館雑誌』2012年8月号に「マレビト・サービス」を執筆(2012/8/14)
- マレビトサービス#2:西牟田靖編(2011/5/15)
- 同時多発的お花見ストリーム/マレビトサービス#1:石田ゆうすけ編(2011/4/7)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第三回研究会(2011/3/25)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第二回研究会(2011/2/22)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第一回研究会(2011/1/23)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会(マレビトの会)発足(2011/1/11)
- 図書館と観光:その融合がもたらすもの(2010/12/27)
- Airport Library @スキポール空港(2010/9/8)
- 鼎談「まちづくり・観光・図書館」(2010/7/5)
- 観光と図書館の融合の可能性についての考察(2010/5/1)
- アーバンツーリズムと図書館(2009/3/24)
- Tokyo's Tokyo(2009/3/4)
- 旅の図書館(2009/2/12)
- 南益行の「観光図書館論(2009/1/27)
- 旅人のための図書館を夢想する(2008/12/27)
- 蛇足 「八重山図書館考」(2008/10/10)