同時多発的お花見ストリーム/マレビトサービス#1:石田ゆうすけ編

先日告知した石けんブラザーズ主催の「同時多発的お花見ストリーム@井の頭公園」を開催しました(のべ10人もの方の参加がありました)。「語る」ということがより重要な意味を帯びる時代に、こういうリアルな「場」を持てたことは、非常に良かったと思います。なお、このお花見の参加メンバーの一人であるKAI-YOU武田俊さんから、彼自身が編集を担当した『ミニコミ2.0』を恵存に預かっています。武田さん、有難うございました。

ミニコミ2.0 ミニ・コミュニケーションとメディアの行方

ミニコミ2.0 ミニ・コミュニケーションとメディアの行方

さて、これを機会にこれまたこのお花見に参加されていた石田ゆうすけさんに、7年半にも及ぶ全大陸を巡る旅(しかも自転車!)を続け、そして今は旅について文章を書くことを生業としている立場から、「マレビトへの図書館サービス」について伺いました。準備不足もあって、突っ込んだ話を訊けたかどうか非常に心もとないのですが、とても示唆に富む内容だったので、概要だけ載せておきます。

  • 出発前には、当時住んでいた街の地元の市立の図書館でこれから訪れるであろう各国の情報を調べ、旅のルートのプランニングに役立てた。カウンターには特にレファレンスをしていない。
  • 北米やヨーロッパでは、地元の情報(主に地誌情報)を調べるために各地の図書館を訪れていた。ここでも、カウンターには特にレファレンスをしていない(これは、個人旅行者の特性かもしれない)。印象に残っているのは、ロンドンの"British Library"。
  • 本(主に日本語)は旅行者やゲストハウスで交換することが多かった。ヨーロッパやアジアでは、古本屋でも購入した。
  • ライターとして各地を訪れるときは、図書館は情報源として活用している。特に注目しているのは郷土資料、とりわけ地元の人が書いた資料。文章も洗練されていないし、内容も必ずしも高度ではないが、その土地の「空気」をまとった文章の「匂い」を楽しんでいる。
  • 日本各地の図書館を見て感じるのは、ぶらりと立ち寄ったユーザへの「訴求」が少ないこと。せっかく面白いコンテンツがあるのだから、ポップや書棚の配列でもっとユーザにアピールすべき。例えば、今なら「元気の出る本」など、提案型のサービスができるのでは。


「マレビト・サービス」を考える場合には、まずは徹底的にユーザ目線でどのようなサービスをすべきか考えてみるのが大事だと考えています。今回のショート・インタビューはその端緒ということで。引き続きやっていきたいと思います。

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