Library of the Year 2012最終選考会が終了

先日告知したLibrary of the Year 2012最終選考会@第14回図書館総合展が本日、盛況のうちに終了しました(実数は未把握ですが、過去最多の200人近い方に参加頂いたようです)。私自身は本業の都合で参加することはできなかったのですが、中の人の一人として、参加頂いた皆さんにお礼を申し上げます。どうも有り難うございました。優秀賞を受賞されたCiNiisaveMLAK三重県立図書館の関係者の方々、最優秀賞を受賞されたビブリオバトル関係者の方々、おめでとうございました。また、円滑な運営を実現してくれたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。そして、今年も何かと便宜を図って頂いた図書館総合展運営委員会の皆さん、本当に有難うございました。

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先に書いたとおり直接見ることができなかったのですが、今回の選考が今までになく「混戦」だったというのは間違いないと思います。(決選投票になったのは、第1回以来ではないかと)。その中で、CiNiiが会場票を獲得したというのは、大口のユーザである(そして、恐らく来場者の大多数であろう)図書館員から支持されたということの証左ですし、saveMLAKが決戦投票に残ったというのは復興の途上にある被災地の支援のあり方に対する回答の一つであるからだと思います。また、審査員のお一人の「地道な活動だと思っていたら大きな革新的な活動であった」という評は、三重県立図書館の各地の図書館の範となるべき取り組みを指したものでしょう。
ただ、この中でビブリオバトルが最優秀賞を受賞したことはとても意義深いと思っています。僕が贅言を尽くすよりも、ビブリオバトルの主唱者である谷口忠大さんが優秀賞を受賞された際のコメントを引用させて頂いた方が、その意図はよく伝わるかもしれません(以下、togetterのテキストを繋いで引用します)。

ビブリオバトル普及黎明期からコアなメンバーで話していたことに「図書館のカタチ」もしくは図書館2.0 についての議論があり,「ビブリオバトルってあるいみソーシャルな図書館の機能をもってるよね.」という議論がありました.つまり,ビブリオバトルは「図書館」というハコは持っていないけど,カフェであれ,会議室であれ,その場を人を介して「本と出会う空間」にする機能をもっています.ソーシャルな位相空間に存在する図書館のような存在だよね,と思っていました.そういうニュアンスが伝わったのかどうかはわかりませんが,ビブリオバトルが「図書館」にまつわる賞をいただけたこを感慨深く感じます.我々は知識社会において,その環境状態,時代の要請に応じて,知識の流通の仕方について適応的に振舞わねばなりません,図書館業界に僕自身は明るくはありませんが,図書館というシステムは長い伝統の中で,その情報の整理の仕方,サービスの提供の仕方を洗練させてきたのだとおもいます.ただ,爆発的な情報化社会の濁流の中で,情報との「出会い方」について,「サードプレイス」としてのあり方についてなんらかの変化を向かえる時期だと多くの関係者が認識しはじめておられるようです.そんな中で,「ビブリオバトル」という変わったモノを図書館の栄誉ある賞の中に加えていただけたことは,とても意義深く,ありがたく,また象徴的なことだと思っています.

これからの図書館の活動に示唆を与える、図書館というハコに拘らない取組みを選ぶというLibrary of the Yearの趣旨をよく理解して頂いたこのコメントは、中の人にとって嬉しいものであると同時に、私自身の持つ問題意識ともシンクロする刺激的なものでした。
今年で7回目を迎えるLibrary of the Yearについては、好意的なコメントも数多く頂く一方で、「図書館以外の目立つものに飛びつく傾向がある」「各地の取り組みへの目配りが不十分である」「優秀賞発表までの選考過程が不透明でである」「最終選考会ではプレゼンテーションの出来で結果が左右される」等々、否定的なコメントも頂いているのも事実です。これらのご意見を踏まえ、(外からは見えないものも含めて)毎年あれこれと手を加えながら運営しているところではありますが、まだまだ足りないところもあると思います。そういった「足りない」部分については、引き続き改善していきたいと思います。僕自身も、時にはプレゼンテーターとして、時にはスタッフとして初回から関わらせて頂いているところ、今後はいつまでLibrary of the Yearに関わるか分かりませんが(実際のところ、今回はほとんど任せっきりでしたし)、関わることができる間は出来る限りのことをしていきたいと思っていますので、これからも宜しくお願いいたします。