#48
<異人>とは、共同体が外部にむけて開いた窓であり、扉である。世界の裂けめにおかれた門、である。内と外・此岸と彼岸にわたされた橋、といってもよい。媒介のための装置としての窓・扉・門・橋。そして、境界をつかさどる<聖>なる司祭=媒介者としての<異人>。知られざる外部を背に負う存在としての<異人>。内と外が交わるあわいに、<異人>たちの風景はひろがり、かぎりない物語を分泌しつづける。
赤坂憲雄『異人論序説』
- 作者: 赤坂憲雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1992/08
- メディア: 文庫
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