チェンライ

 スーパーハイウェイを抜けて、バスで3時間。チェンライは期待通り、何も無い街だった。強いて挙げるなら、ワット・ドン・ムアンのオチャメな大仏様位。その仏様でさえ、見たら終わり、という感じだった。宿であるツーリストInn(日本人経営)で、日本語の本を適当に拝借して、近くのオープンカフェ兼レストランでロハの中国茶を目一杯飲みながら、サッカー中継(タイVS北朝鮮)を見る、という至福の時間を過した。

 チェンライ市郊外に、コック川というのがある。川沿いに豪華リゾートホテルやサイクリングロード、グランドが広がっていて、タイの豊かさをよく表しているのだが、僕はレンタルサイクルで以って夕陽を見に出かけた。河原に座って、水際で遊ぶ家族連れや女の子を横目に、川の向こうのお椀みたいな山に太陽が沈むのをボンヤリと眺めた。チェンライまで来て、やっと地に足が着いてきた気がした。

 次の日(2/24)の早朝、必死で5:00に起きて、朝日を見る為に昨夕と同じ場所へ行った。朝もやの中、朝日を浴びるお椀山を背景にした流木を撮る、というのが目的だったのだが、1時間半、凍えながら待った挙句、曇りで果たせなかった。更に不幸は重なる。帰ろうとしたらチャリンコのペダルのネジが飛んで、その外れた方のペダルがまわらなくなってしまった。チャリンコを引きながら明け方の街をトボトボとG.H.へ帰っていく姿は誰が見ても憐れ極まりなかったろう。