レゴン・ダンスの夕べ

 寺院めぐりを終えた我々親孝行ツアーご一行は、夕暮れ時のテラガランでお茶を楽しんでから、ウブドの街中に戻ってきた。
 予定てんこ盛りの今日の観光は、これでも終わらない。従姉の旦那さんと合流して腹ごしらえしてから、夜のメインイベント・レゴンダンス(バリの伝統舞踊の一つ)を観るのだ。

 我々が旦那さんの案内で観たレゴン・ダンスを演じていたのは、ティルタ・サリという海外公演の経験も豊富な有名な一座。優美に踊る女性、コミカルに動く男性、迫力満点の人形に、母親×2以下、我々は大満足。
 ちなみに、なぜか仕事でよく来るはずの旦那さんが一番写真をガンガン撮っていたのだが、何でも「仕事ダト写真取レナイカラ」とか。

 もちろんこれに先立って、「親孝行」の旗印を掲げる私は、母親に「しんどくない?何ならホテルでゆっくりしてもええんやで」と優しい一声もかけたのだが、
「ここまで来て何を言うてるの?見やんともったいない!そもそも、全然疲れてへんよ」
と、母親たちの飽くなき「観光魂」の前に一喝されてしまっていたのであった。
 ううむ、親孝行も難しい。 


 ##なお、写真は奥さん撮影です。