バリに到着する


 バリにはその日の夕方、定刻どおりに到着した。入国審査で(案の定)ギャル男君ご一行が一悶着を起こしてくれたおかげでちょっとばかり待たされたが、とにもかくにも4人全員無事にバリに降り立った。

 そして、空港で従姉夫婦と合流し、ホテルのあるウブドへ。車中、従姉のだんなさんが「ぱすぽーとの入国すたんぷヲ見セテ」というので、変なことを言うな〜と思って理由を聞いたら、何でも「タマニ空港職員ガびざニ入国すたんぷを押サナイデ、出国時ニイチャモンヲツケテ金ヲセビル」とのこと。旦那さんは、もはや口癖となっている一言を付け加えた。「アホヤ」。
 途中、敬虔なムスリムの2人はモスクに立ち寄って夕方の礼拝をしたり、ウブドのレストランで夕食をとったりしていたので、ホテルに着いた頃にはもういい時間だった。

 ホテルは、ウブド郊外にあるワカデウマ・リゾート。清潔で落ち着いた内装と親切なスタッフが印象的で、しかも値段もそう高くない、従姉夫婦オススメのホテルである(もちろん私もオススメ)。
 フロントでチェックインの手続きをしていると、どこからともなくガムランの音が流れ出した。「うむ。雰囲気があるな」と思ったのも束の間。何だか調子が外れている。振り返ると、何のことはない、母親がディスプレイ用のガムランを奏でていたのであった。

 そして夜。私は20代後半にして再び、母親と枕を並べる(ツインベッド)こととなったのである。