パガン遺跡群
パガンと言えば、何でこれがユネスコ世界遺産に登録されていないのか不思議でならないくらいの壮大な仏教遺跡群が有名です。
例えば、空に浮かぶ城ラピュタがハンマーで砕かれ、ばらばらになって広く赤い大地に散らばってしまったような感じ、とでも言いましょうか。
古の王侯貴族は、パヤー(仏塔)を築くことが一世一代の功徳だと考えていたそうです。作られたパヤーは、時代や民族によって全く異なるようですが、赤い大地から生まれた赤いレンガでできていることには変わりありません。
今、パガンの大地に点在するパヤーは三千をゆうに超え(それでも減ったらしいですが)、 それらは、ピーナッツ畑と森に抱かれ、その間を縫う小道に縛られています。そしてそこを、旅人を乗せた馬車や、土産物売りの自転車が縦横無尽に走ります。
夕暮れ時、無数のパヤーは赤く輝き、ピーナッツ畑は金色に染まります。遠くで聞こえる読経を背に、仕事を終えた人々が、アルミの弁当箱を片手に、自転車で家路を急いでいます。
そして、夕陽がゆっくりとイラワジ河に沈んでいった後、辺りは闇に包まれます。ポツンポツンと見える裸電球の光の下では、人々が思い思いの時間を過ごしているのでしょう。
その時、ビルマがなぜ「黄金の国」と呼ばれているのかがやっと分かりました。
-
-
- -
-
パガン遺蹟についての参考文献はこちら↓。
謎の仏教王国パガン―碑文の秘めるビルマ千年史 (NHKブックス)
- 作者: 大野徹
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る