マイニング探検隊第2回勉強会に参加

今月も参加してきました(仕事の都合で遅刻&例の如く懇親会欠席でしたが)。懇親会出てないせいかもしれないけど、どうにも勉強会へのコミットメントの仕方というか、他の方との距離感がつかみきれてないのですが、まぁそれはおいおい。
さて今回は、検索エンジンについて、独習者にはタフな解説から始まりました(内容は、勉強会公式ページに掲載されるスライドやtwitterのまとめを参照)。
個人的に興味深かったのは、検索エンジンというのは、個人の情報検索要求とサービス側で用意する検索ロジックのマッチング、という根本的な構図の再確認でした。そして、そこにパラメータとして、人間心理を背景にした情報検索行動というものが絡んでくる。
以前、図書館員の情報検索行動について少し検討をしたことがあるのですが、その時の結果を粗くまとめると

  • 図書館員は絞り込んでいく検索(=それがあるかないか)
  • ユーザは網を広げていく検索(=何かないか)

という傾向にあるよね、ということになりました(自分自身を顧みてもそういうところがありますね)。前者はOPACという有限の情報総体をベースに、後者はWebという無限の情報総体をベースにした検索行動、とも言えるかもしれません。勉強会では、再現率をどう考えるか?という言葉で表現されていましたが。
もう少し話を進めると、その背景には現在のOPACはあくまでも「蔵書」の検索システムであって、「情報」の検索システムではないということで、それは裏を返せば図書館には「その本を持ってるのかどうか?」というこれまでの社会的なニーズと図書館側の志向があるような気がします(ここは、どっちが先かは鳥と卵の関係ですね)。「ない」ということを証明するためのOPAC型検索も裏では必須でしょうが、サービスとしてはどっちがいいのか言うまでもないですねぇ。
となると、図書館が提供する検索サービスとしては、いかに「情報」を対象とした検索サービスを構築するのかという点を考慮しなければいけないし、それと同時にユーザのメジャーな情報検索行動の中にいかに図書館の持つ情報が現れるようにしなければいけないか、という当たり前のことに尽きるのかな、と改めて思いながら一人餃子を頬張ったのでした。

追記;
冒頭の東京大学図書館・前田朗さん(言選Webの開発にも関わったその筋では有名な方)のつぶやけ!CiNiiのデモは見逃してしまいました。残念…。
去年、東京大学でやっている某勉強会に誘われたときに、前田さんの「既存図書館システムの『外付け』でユーザサービス向上を図る〜『図書系職員のためのアプリケーション開発講習会』成果を例にして〜」という発表を聞いたことがあります。情報基盤センターの支援を受けつつも、図書館員が主体になってやっている実践的勉強会「図書館系職員のためのアプリケーション開発講習会」という勉強会が内部あって、既存の業務用・サービス用のシステムを改善するような「外付け」カス タマイズ・アプリケーションを開発してしいていくということでした。おまけに、そのいくつかは実用化・公開されているようで、スキルの伝達・共有〜業務及びサービスの改善を繋げてしまうという意味で、非常に興味深い。「勉強のための勉強会」とは一線を画したそのあり方は、参考になります*1


5/19追記
はてブで「「それがあるかないか」⇔「何かないか」は、既知文献の検索⇔未知文献の検索という図式で、利用者⇔司書の図式ではないのでは。」というコメントをもらったので補足します。
確かにそういう側面もあるのですが、それよりもここで書きたかった意図としては、司書さんの検索はキーワードをある程度絞り込んで(それも一つのスキルなんだけど)それをもとに絞り込んで検索していくのに対し、一般ユーザはあれやこれやとキーワードを試しながら網を広げていくような検索をしがちだよね、ということだったりします。ということで、毎度言葉足らずですいません。