海軍水路部『軍艦金剛土耳古国航海報告』

海軍水路部 『軍艦金剛土耳古国航海報告』 東京, 海軍水路部, 明治24(1891)年, 67p.

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「金剛」は、「「比叡」と同様に1875年にイギリスで起工、1878年から日本で就役した帝国海軍のコルベットである。日清・日露戦争出征後は測量業務に従事し、1909年に除籍・解体された。
本書は、明治23年オスマン・トルコのエルトゥールル号遭難事件生存者(34名)送還航海に「比叡」とともにトルコまで航海した際の公式報告書で、名義は航海長藤戸永綱大尉・航海士磯部謙次郎少尉となっている(「金剛」の航海報告書としては、他に北米南太平洋・オースオストラリアへのものも残されている)。
「金剛」は、「比叡」より一足先の10月5日に品川を出航したが、コスタンチノープル着は同じく1月2日。基本的に同じ航程をとっていたようだ。なお、「金剛」の乗組員であった大山鷹之介が『土耳其航海記事』(東京, 大山鷹之介, 明治24年)という旅行記を帰国後に出版している。