#136


2014.8 Komagome, Tokyo.

旅に出るきっかけは、たぶんケ(気)が枯れることだ。日常という名のケガレの堆積が、ある臨界点に達したとき、牧水はいやおうもなく旅に出る。
旅はときには寂しく、苦しく、厭わしい。なんの因果でこんな所まで来たのか、とわれながら恨めしく思うこともある。それでいて、やはり旅は忘れら れない、やめられない、これもひとつの病気かもしれない、と思う。
赤坂憲雄若山牧水 旅はやはり病気である」

旅学的な文体 (五柳叢書 94)

旅学的な文体 (五柳叢書 94)