#136
旅に出るきっかけは、たぶんケ(気)が枯れることだ。日常という名のケガレの堆積が、ある臨界点に達したとき、牧水はいやおうもなく旅に出る。
旅はときには寂しく、苦しく、厭わしい。なんの因果でこんな所まで来たのか、とわれながら恨めしく思うこともある。それでいて、やはり旅は忘れら れない、やめられない、これもひとつの病気かもしれない、と思う。
赤坂憲雄「若山牧水 旅はやはり病気である」
- 作者: 赤坂憲雄
- 出版社/メーカー: 五柳書院
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
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