ヒマラヤの麓にて

 ネパールの首都、カトマンドゥ。聖なるヒマラヤに抱かれたこの街は排気ガスで汚れきっている。何かないかと皆同じ顔をして、世界中からドルやユーロや円を持って旅行者が集まるタメル一帯はその中心に、俗なるものの中心に位置する。

 もうもうと煙草の煙が立ち込めたある安宿の一室で、長髪の男が熱弁を奮っている。
 インドシナでは、少女の純白の制服はスリットが腋の下まで入ったタイトな上着にパンツだという。スリットが深すぎるため、スリットとパンツが織り成す露な小麦色の肌の三角形が腋の下に形成されるという。

 男はそれを、ゴールデン・トライアングルと呼んでいた。