勉強会@中央線10周年記念企画第4弾
10周年記念企画の第4弾は、「コミュニティのデザイン」、「図書館におけるデザイン」に続く、デザイン談義シリーズの3回目として、具体的な事例・実践をベースに「図書館のデザイン」について考えてみよう…ということで、千葉大学のアカデミック・リンク、大和市文化創造拠点シリウス、オーテピア高知図書館等の近年の注目案件を多く手がけるデザイナーの酒匂克之さんをお招きしました。
これまで手がけてきた(あるいは仕掛かり中の)様々な空間を紹介してもらう中で、酒匂さんが「この部分は不本意なんですよね…」とつぶやくことが何度かありました。
酒匂さんは施設の設計会社から空間や什器のデザイナーとしてプロジェクトに参画されてきました。発注者や設計会社の方針やコンセプト、思い等を踏まえて幾つものプランを提案していく中で、自分の意に沿わない決定がなされることがある、と。それがプランをより良くするものであればよいが、そうでない場合もあって、自分の名前の名前でデザインしたものであるにも関わらず、「不本意」なものが出来上がってしまっている…そういう趣旨でした。
どこの世界でもよくあることと言えばよくあることです。
では、その「不本意」を出現させないためにはどうすればいいのか。
もちろん発注者ー施設整備担当なのか施設運用担当なのか、複合施設の場合は…と簡単に整理できないのですが-や受注者のレベルの問題もあるでしょうが、酒匂さんは「自分たちデザイナーと対等な関係であってほしい」とも語っていました。
発注者と受注者の上下関係、元受けと孫受けの上下関係…建築に限らず大きなプロジェクトには様々な「対等ではない関係」が埋め込まれています。その関係をうまくコントロールしながら意思決定のプロセスをデザインしていけたら…と感じながら、アルコールも入って円滑にまわる議論に身を委ねていました*1。
- 勉強会@中央線10周年記念企画第3弾(2018/9/16-17) (52)
- 勉強会@中央線10周年記念企画第2弾(2018/7/25) (51)
- 勉強会@中央線10周年記念企画第1弾(2018/3/23) (50)
- 勉強会@中央線RT2018〜如月(2018/2/5) (49)
- 勉強会@中央線RT2017〜葉月(2017/8/10) (48)
- 勉強会@中央線RT2017〜水無月(2017/6/9) (47)
- 勉強会@中央線RT2017〜卯月(2017/4/21) (46)
- 勉強会@中央線RT2016〜忘年編(2016/12/1) (45)
- 勉強会@中央線RT2016〜夏(2016/8/2) (44)
- 勉強会@中央線RT2015〜秋(2015/11/25) (43)
- 勉強会@中央線RT2015〜夏(2015/6/11) (42)
- 勉強会@中央線RT2014〜忘年編(2014/12/8) (41)
- 勉強会@中央線RT2014(2014/3/26) (40)
- 勉強会@中央線NEO2013(2013/3/27) (38)-(39)
- 勉強会@中央線NEO2012(2012/10/11) (33)-(37)
- 勉強会@中央線NEO2011(2011/11/15) (27)-(32)
- 勉強会@中央線NEO2010(2010/11/10) (22)-(26)
- 勉強会@中央線2008-2009(2009/12/10) (1)-(21)
- 「ガード下の「ゆるく尖った場」:10年目の勉強会@中央線」(2017/2/25)
- 勉強会@中央線NEOのライフサイクル(2013/3/28)
- 勉強会@中央線NEOのレシピ(2011/11/16)
- 内と外(2009/11/13)
*1:それがどの立場からか、というのはケースバイケースでしょう。最近目にする、設計者と運用担当、市民を巻き込んだようなワークショップもそのソリューションの一つと位置づけられると思います。