つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)
- 作者: 猪谷千香
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/01/07
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (39件) を見る
- 作者: 菅谷明子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/09/20
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 271回
- この商品を含むブログ (82件) を見る
トークイベントは2部構成で、前半が猪谷さんが取材で撮りためた図書館のスライドを紹介しながら本のあらましを紹介し、後半は3人であれやこれやと鼎談、そして最後に会場からの質疑。議論を無理やりまとめてみると、
- 多様なニーズや取り組みが見えるようになっている中で、各人の「図書館にこうあってほしい」というものが顕在化している一方で、従来の図書館の枠組みは制度疲労を起こしているのでは。
- 図書館は、単に「貸出冊数」のみに評価軸を置くのではなく、地域の課題を踏まえた「役割」をどう果たすのかが大事。そして、その「役割」は地域ごとに異なるものなので、一言で定義づけられるものではない。ただ、どういう役割を果たすにせよ「居心地の良い場所」であってほしい。
- それぞれの地域に住む我々自身が、(図書館・書店・マイクロライブラリー等を包含した)<地域の本の生態系>にどうあって欲しいのかが大事。
といったところでしょうか。図書館業界の人だと「分かってるよ」或いは「知ってるよ」というものだとは思うのですが、これらが<業界の外>からの声だということは留意すべきだと思います。余談ですが、一つ目のポイントが、昨年に出版された内沼さんの『本の逆襲』で描かれている構図と同じなのは偶然ではないと思います(そう言えば、内沼さんは図書館員も「本屋」の中に括っていました)。
- 作者: 内沼晋太郎
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2013/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (29件) を見る
先に紹介した『未来をつくる図書館』が一つの起爆剤となって図書館の<課題解決支援>が進展したというのはよく聞く話ですが、この『つながる図書館』以後はどんな動きが出てくるのでしょうか。Libray of the Yearの意義を「真似たらいいことを知らしめる」ことにあると喝破したレポートもありましたが、ここで紹介された様々な取り組みが「真似」されていくことは間違いないと思います。