PARTYstream「ソーシャルメディア、学び、イノベーション」に参加

最近の僕の関心事の一つである

  • ソーシャルメディア時代の「学び」に図書館はどういう寄与ができるのか?
  • ソーシャルリーディングとはどんなものか?

ということでは外せないイベントPARTYstream「ソーシャルメディア、学び、イノベーション」に参加してきました。

PARTYstream(パーティストリーム)は、トーク&パーティ&UST中継を組み合わせた、全く新しい、しかし、愉しくて怪しいイベントです。越境する人々が集い、ネットワーキングを深めることをねらっています。時代の最先端を走る方々をゲストにお迎えし、ゆるゆるのトークをちょっとだけお楽しみいただきつつ、基本的には、エッジを走る、やや「前のめりの皆さん」で集まって、「パーティを楽しもう」という趣旨で企画されました。

イベントとしては、パーティー形式の華やかな会場で、東京大学中原淳さんのファシリテ―ションの下、uustreamについては[ヒマナイヌの川井拓也さん、ソーシャルリーディングについてはNHK出版の久保田大海さんがそれぞれレクチャーを行う(もちろん、インターネット中継もされている)というもので、コンテンツとしても場としても非常に興味深いものでした。とりわけ、久保田さん(同社のソーシャルリーディングのためのサイトSHARE READERの立ち上げにも参画されていたとのこと)のレクチャーは僕にとって腹に落ちるものでした。

  • ソーシャルリーディングは電子書籍ではなく読書体験を豊かにするもので、読者としては「何を読んだのかよりもどう読んで、誰と共有したのかの方が大事」となり、著者としては「誰が何をどうシェアし、そのシェアが何を生むのかという文脈を織り込むことが大事」になる(電子書籍は、シェアのしやすさやソーシャルネットワークとの連携、アクセシビリティの点で優位ではあるものの)
  • ソーシャルリーディングは、インターネット登場以前の"1.0"(読書会での共有)、インターネット登場後の"2.0"(blogやSNS、書店サイトでの共有)を経て、今はストリーム化するソーシャルメディアで共有が加速する"3.0"の段階へ(出会い→購入→共有→新たな出会い)*1 *2
  • "著者"と"読者"の関係性のあり方を変容させる。具体的には、ライフストリーム化していく

ということで、ソーシャルリーディングは新しい「知」のあり方の再構築への胎動というのが、現時点での僕の結論です。そして、(他人の書き込みを消してしまったり、利用履歴を基本的に残さない)図書館がそこにどう関わっていくのかは、引き続き考えたいと思います。

*1:Twitterでフォローしている人からシェアされる本は購買意欲も高いとのことで、Twitter→SHARE READERのユーザの26%がAmazon等の購買リンクをクリックするとか

*2:他にもアメリカの読書SNS"Goodreads"やソーシャルリーディングに対応した電子書籍プラットフォーム"COPIA"も紹介されました