カトマンズからの手紙(2)

 これまでも書いてきたように、ここまでは寒い所を旅してきたのですが、これから(冬とは言え)暑いインドへ抜けていくとなると、ここカトマンズで旅のt態勢を立て直す必要があります。人民解放軍の羊毛コートを売り払ったり、ボロボロになったジーンズを買い替えたり、荷物を日本に送ったり、溜まったネガを現像に出したり、インドとバングラデシュのビザの発給申請をしたり・・・とやることだけは山積しています。
 インドから上ってくる旅人にしても、チベットから降りてくる旅人にしても、この渓谷で身体を休め、次なる旅への準備をする。この街の居心地が良いと言うのは間違いのないことなのですが、旅行者がついつい長逗留してしまうのはそれだけが理由ではないという気がします。僕のカトマンズ滞在も長くなるかもしれません。

 さて、今日は、カトマンズの西の外れの丘にあるスワヤンブナートまで散歩してきました。タメルからゆっくり歩いても1時間もかからない距離です。
 ここは、仏陀智慧の目が四方につけられらたストゥーパが有名なチベット仏教寺院なのですが、「モンキー・テンプル」と言われるだけあって、まぁ猿だらけ。人慣れしているので、僕たち物見遊山の客に対しても、遠慮と言うものを知りません。肝心の丘からの眺めも悪くはなかったのですが、カトマンズの盆地全体にスモッグがかかっていて、「これじゃあ街を歩いていても排気ガスにむせるわけだ」と思ったものです。

 その帰り、タメルの近くでチベットから一緒に来たローレンに会いました。彼は190cmを超える身長があるので、この街ではよく目立ちます。何でも、地元のネパーリー娘とデートの待ち合わせをしているとのこと。やることが早い。
 その日の夜は、チベットから一緒に来たメンバーでご飯を食べました。ちょっと洒落たビザ・レストランです。ラサの街並み、エベレストの眺望、ランドクルーザーの旅など、多くの時間を共有しただけに話が弾みました。まだ数日前のことですが、何だかずいぶん前のことのような気がします。
 普段は韓国で英会話教師をしているジェームズはクリスマスには実家のオーストラリアに帰る予定、元看護士のヨウコさんはカルカッタマザーテレサでしばらくボランティアをする予定、ローレンはモルディブでダイビングの仕事に就く予定、リュウとフランクはこれからもしばらくは旅を続ける予定・・・。みんなそれぞれバラバラに旅をしているわけですが、今回、ひょんなことから道連れになりました。これも旅の妙というやつでしょう。。
 そうそう、フランクはこの日も「Anytime Baby !!」Tシャツを得意気に着ていました。