勉強会@中央線RT2016〜忘年編を開催
「勉強会」なるものはいつ登場したのか?ということが、最近、気になっています。
ビジネス系の雑誌とかでよく「最近は勉強会がブームで…」というフレーズを見かけますが、少なくともこの10年は断続的に見かけています。少し遡ると、1987年には『社外人脈・知脈のつくり方 : 「社外勉強会」のすべて』(佐々山晃著、ぱる出版)という本も出版されています。
じゃあいつからやってるんだろうと、色々なデータベースを遡っていくと、出るわ出るわで、結局、明治時代に行き着きました。1895年の『風俗画報』99号に「講武所芸妓勉強会」という記事です。記事の出た2年ほど前から、店の垣根?を超えて芸妓さんが月一回神田某所に集まり、ともに芸事の熟達に励む…ということで、会費は自腹、幹事は2名交代制とするなど、1950〜1960年代くらいからビジネス系の雑誌記事で見かけるようになる社外勉強会とほぼ同じようなことをやっていたようです。
これはあくまでも「勉強会」という熟語の(確認し得る限りの)初出であって、「人が集まって知識などをともに学ぼうとする場」の初出ではないことは当然なのですが、100年以上前から「勉強会」が注目されていたことは確かでしょう。
閑話休題。
2016年2回目は、橋本大也さんにお願いしました。
僕が初めて橋本さんのことを知ったのは、2010年に出版された『ブックビジネス2.0』に橋本さんが寄稿した「印税90%が可能なエコシステムを」を読んだときです。その中の「教会としての物理的図書館」という一節で、橋本さんはご自身の体験を踏まえ、
厖大な蔵書の質量や管理された静謐な空間を見せつけることで、子供たちに知の世界の奥行きや豊かさを感じさせる教育の場としても、図書館は価値があると思います。知的な雰囲気、文化の香り、本を読んで知識を学べばその先に道が拓けてくるんじゃないかという展望を、物理的な図書館は与えてくれるのです。
とした上で、「情報による救いと癒しの場」という定義を図書館に与えていたことが印象的でした。
- 作者: 岡本真,仲俣暁生,津田大介,橋本大也,長尾真,野口祐子,渡辺智暁,金正勲
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2010/07/16
- メディア: 単行本
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(45) 2016/12/1 高円寺HACO 橋本大也(デジタルハリウッド大学)「(無題)」
本シリーズ初の「無題」となった今回、橋本さんが新たな活躍の場として選ばれたデジタルハリウッド大の図書館の取り組みから話は始まりました(上場企業の社長出身の図書館長は、恐らく史上初では?)。ものすごい数の本を読んで書評を書いていた橋本さんが本を読まない学生にどうやって読ませようかとアタマを悩ませている話(「本を読ませるのは、本を売るより難しい!」という名言も)や、留学生にそれぞれの国の本を紹介してもらう国際ビブリオバトルの話など色々出ましたが、僕が一番「あぁなるほど」と思ったのは、橋本さんが「行き場のない学生に居場所を提供したい」と仰っていたこと。これは正に橋本さんが「教会としての物理的図書館」で書かれていたこととしっかりつながっているんだなと思いました。
とは言え、一番盛り上がったのは最後の「メディアイノベーションがやってくる」という話だったと思います。"super XXing"銘打って、読んだり、聴いたり、歌ったり、話したり、学んだり…といった僕たちの行動がどう変わろうとしているのかということを、様々な事例をもとに一気に紹介されたのですが、「イベンター・橋本大也」の凄さを垣間見た瞬間だったかもしれません。
さて、このささやかな場もこれをもって9年目が終わり、来年1月から10年目に突入します。せっかくの節目ですので、何か仕込めるといいなと思いますが…。
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