勉強会@中央線RT2016〜夏を開催

3人幹事体制だった「勉強会@中央線」を21回、2人幹事体制だった「勉強会@中央線NEO」を18回やって辿りついた基本1人幹事体制の「勉強会中央線RT」の4回目は、色々あって久しぶりの開催となりました。
今回のテーマは学校図書館。密かに温めていたテーマなのですが、誰にどうお願いするのか定まっていなかったのでこれまで手をつけませんでした。

いきなり私事で恐縮ですが、子どもの授業参観で小学校を訪れた際、20年ぶりに学校図書室(館)と再会しました。
今でこそ「図書館」で働いていますが、自分の過去を振り返ると、小学校時代は図書室に行った記憶はほとんどなく、中高時代もテスト前に図書室の机で少し勉強した程度で、「再会」と言っても、これまで学校図書室(館)と関わってきたことがありません。
しかし、学校図書室(館)は自分の生まれる前から存在し、自分の子どもが通っている小学校にも存在します。そして、2014年の学校図書館法改正により学校司書の法制化がなされたことに象徴されるように、今後の改革・改善への動きも出ています。
では、学校図書室(館)とは、どのような<場>なのでしょうか?どのようにして形作られてきた<場>のでしょうか?どのような可能性を持つ<場>なのでしょうか?
研究対象として学校図書館を選び、そしてこの度『日本占領期の学校図書館:アメリカ学校図書館導入の歴史』を上梓される白百合女子大学の今井福司さんを囲んで、考えてみたいと思います。

告知に際してこのような案内を出し、学校図書館との連携に携わる(苦慮する?)現役の図書館員/教員/関係者やだけでなく、PTA関係者等にも入ってもらうというメンバー構成にしました。図書館ネタで図書館関係者が多くなってしまうと、どうしても内輪ネタに終始してしまうというリスクがあるのですが、「学校図書館」自体がニッチな図書館業界の中でもさらにニッチなところなので、少し違った目線は入れる必要はあるものの、敢えて業界関係者を中心にした構成にしてディスカッションの土台を整えた方が良いと判断したためです(その中で、参加者の中に司書教諭・学校司書の経験者が何人かいたというのは嬉しい誤算でした)。

(44) 2016/8/1 高円寺HACO 今井福司白百合女子大学)「学校図書館とは何か説明してください

さて、肝心の中身はと言うと、学校教育法や学校図書館法、そして学校図書館図書標準といった「基本」をもとに、学校図書館の成り立ちや現在の抱える課題について(参加者も含めて)あれやこれやと議論の飛び交う会となりました。図書室をほぼ自習室としてしか使ったことがなく、また図書室に入り浸る図書委員系の同級生がどちらかと言えば苦手だった自分としては、学校図書館と言われても正直、いまいちピンとこなかったのですが、皆さんの議論を聞いていてぼんやりとつかめた気もします。
無理やりまとめると、ヒト・モノ・カネ…現実的な制約は数多くあるけど、図書館など不要な勢いの優秀な層の生徒よりももう少し「下」の層の生徒を主なターゲットにして、(読書教育ではなく)情報リテラシー育成のための拠点として、地域の公共図書館等にうまくサポートしてもらいながら、地域や学校の特色に応じて様々な取組みをしていってほしいね、というところでしょうか。こう書くと「当たり前やんけ」と自分で思わずツッコミを入れてしまいそうになりますが、(関係者の方の言によると)これが当の学校図書館の当事者たちには「当たり前」でなく、また多くの学校図書館が「真似」を目指すような国内の取組みがあまりないといういささか厳しい現実もあるわけですが、それはさて置き。

満員御礼(スピーカ込み12名)でかつ場としても盛り上がったということで、主催側としては申し分ないイベントとなったわけですが、次回は秋くらいでしょうか。今井さん、皆さんどうも有り難うございました。

(追記)
今井さんのblogにも振り返りがありました。
【御礼とまとめ】2016年を振り返って(リブラリウスと日々の記録(はてな版) 2016-12-31)