勉強会@中央線RT2015〜秋を開催

しばらく空きましたが、5か月ぶりに開催しました。石けんブラザーズの資金を活用…ということで、氏原茂将君との共同企画の下、4年前の「何に着目すべきか」で初めてお会いし、昨年に刊行された『共創がメディアを変える』で対談した柳本浩市さんにお願いしました。

(43) 2015/11/25 高円寺HACO 柳本浩市(Glyph.)「図書のある新しいコミュニティを考える。」

さて、いわゆる「ツタヤ図書館」問題が世間を騒がせていますが、この状況は、例えば10年前にはあまり想像できなかったものだと思います。これに対する見方は色々とあると思いますが、「図書館(ライブラリー)の概念が、CCC(ツタヤ)と出会うまでに拡張されてきた」とも言えるのではないでしょうか。少なくとも、この問題を単なる民活の失敗や従来の図書館の倫理・論理に議論を収束させてしまうことは、批判すべき点は批判すべきだとしても、拡張されてきた図書館(ライブラリー)のこれからのあり様を考える上で有益だとは思えません。
この問題も踏まえつつ、いわゆる図書館業界の周辺にいる、一癖も二癖もある人間が集まって対話しつつ、「図書のある新しいコミュニティを考える」。…という趣旨で開催されたこの集まり。柳本さんは異能のアーキビスト/キュレーターだと僕は思っているのですが、代官山蔦屋書店の運営にも参画されているので、この話題にスピーカとして最適だと考えました。そして、これまでであればスピーカを決めた後にメールやSNS上で参加者を募集してきたのですが、今回はその対話をより密度の濃いものにするために、氏原君と相談しながら、来てもらう人を選び、個別に参加を打診するという方法をとりました。
蓋を開けると、参加者の自己紹介を終了して本題に入るまでに45分以上過ぎていたり、(濃すぎる)参加者のツッコミがどんどん広がって、結果的に柳本さんにはご用意頂いてきた内容の半分も繰り出して頂けなかったのでは…という計算外な事態が起こるほどに盛り上がりました(柳本さんの異能っぷりも想像を遥かに上回っていました!)。詳細については、どこかでまとめる機会があればいいなと思っていたりもするのでここでは書きませんが、この問題に関する議論は、関係者の利害・思い等が錯綜して(オンライン・オフライン問わず)あまりに歪なものになっているものの、前向きなスタンスで対話することにみんな飢えていたのかなと思った次第。個人的には、柳本さんの本領であるアーカイブ×キュレーション=マネタイズ」にもっと踏み込みたかったのですが、それはまた別の機会にとっておくことにしまししょう。
このシリーズ、来年も気が向いたら開催しますので、その際はぜひお出でください。

≪追記≫
本イベントの開催経費に、2010年のL-1グランプリ獲得賞金の一部を充当しました。これで、獲得賞金40万円を全て呑み切った使い切ったことを併せてご報告しておきます。