Library of the Year 2013最終選考会を振り返って

もはや旧聞に属するかもしれませんが、先だって告知したLibrary of the Year 2013 最終選考会が盛況のうちに終了しました(ustream録画はこちら)。クラウドファウンディングを活用した資金調達により開催に漕ぎつけた今回は、伊那市立図書館が大賞を受賞しました。LoY2013については、氏原茂将さんによる「Library of the Year 2013が投げかけるヒント」(『マガジン航』)でもまとめられているので、是非ご参照ください。
さて、プレゼンテーションの中で紹介されていたように、「地域の多様な人々の知を巡る営みをつないで、新しい知の公共空間を創造し、今まで積み重ねられて来た人々の知の営みを今この時代につなぎ、これからの新たな知を創出する、育む場」として図書館を位置付けようとする伊那市立図書館の取り組みは、大賞にふさわしいものだったと思います。一昨年の小布施町立図書館まちとしょテラソに続く長野県からの受賞。長野と言えば、長野県図書館協会による積極的な取り組みはよく知られているところですが、こういった地域のそのものの持つ豊かな<土壌>が、一連の受賞に結びついているのかもしれません。

明日をひらく図書館: 長野の実践と挑戦

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また、大賞こそ逃したものの、礒井純充さんの個人の活動に端を発した「まちライブラリー」の取り組みも、一昨年のLoY2011で取り上げられた「住み開き」と同様に、新たな「公共」の担い手・場を創り出そうとする最近の動きともリンクするものでとても興味深いものですし、癌というセンシティブな地域の課題に果敢に取り組む長崎市立図書館や多様なイベント開催を展開する日比谷図書文化館の取り組みも興味深いものです。
今回の選考会を通じて、先の氏原さんの言葉を借りれば、「「良い図書館を良いと言う」ことで先進的な取り組みを知らしめ、図書館にかかわる人たちが真似るためのきっかけを提供する」ものになれば良いなと改めて思いました。ということで、Library of the Year 2014が今から楽しみです。