地域と観光に関する情報サービス研究会第三回研究会

少し間が空きましたが、第三回のご報告です。今回は、メンバーの一人である若林正博さんの発表が中心でした(ご本人が転載自由と仰っていたので、未定稿の目次を載せておきます)。このエントリーでは、若林さんの発表に関連して、幾つか気になったことをつらつらと書いておきます。

1 はじめに
 1.1 図書館利用のレファレンス
2 図書館で旅行計画作成のレファレンスを
 2.1 パスファインダーによるサービス/2.2 旅行計画とレファレンス/2.3 図書館に旅行ボランティア/2.4 中学高校生への旅行リテラシー教育/2.5 ポータルサイト開設によるサービスの可能性
3 図書館で郷土資料の販売を
 3.1 地誌的情報と観光/3.2 地誌的情報と地域のコミュニティー/3.3 制度の隙間にある地誌的情報/3.4 地誌的情報のテイクアウト/3.5 地誌的情報の供給拠点としての図書館/3.6 郷土資料販売の実例
4 日本人の観光スタイルは変わるのか
 4.1 国民の旅行リテラシー向上がもたらすもの/4.2 図書館は観光の拠点になれる
5 おわりに

若林さんの発表で一番注目したのは、「出発前のレファレンス」という考え方。これは、ある人がどこかへ旅するとなった時に、その旅先の情報拠点について地元の図書館でその相談に乗ってもらう、という趣旨。確かに、これはあると(できるのなら?)便利かもしれない。また、地元に住む旅慣れた人をボランティアとして活用できないか、というアイデアも面白い。カフェ形式のイベントと資料紹介とをうまく絡めるとか、色々膨らますことができそうです。
とは言え、これらをよりスムーズに動かすためには、各図書館が各地元に関する観光情報原を集約しておくことが望ましい。ということでの「ポータルサイト」の提案。(海外でのことらしいですが)旅行者が旅先で事前の情報収集に一番活用するのは個人ブログだという話を聞いたことがありますが、既存のWebサービスを上手く使って情報を集約すると面白そうです。ここでも指摘されているように地域資料の収集も重要ですが、インターネット情報の集約というのも(その分コストもかかりますが)重要ということですね。
まぁいずれにせよ、図書館をうまく使ってもらうためには日本人の旅行スタイルの変化が必要だと思いますが・・・。

関連エントリー

  1. 地域と観光に関する情報サービス研究会第二回研究会(2011/2/22)
  2. 地域と観光に関する情報サービス研究会第一回研究会(2011/1/23)
  3. 地域と観光に関する情報サービス研究会(マレビトの会)発足(2011/1/11)
  4. 図書館と観光:その融合がもたらすもの(2010/12/27)
  5. Airport Library @スキポール空港(2010/9/8)
  6. 鼎談「まちづくり・観光・図書館」(2010/7/5)
  7. 観光と図書館の融合の可能性についての考察(2010/5/1)
  8. アーバンツーリズムと図書館(2009/3/24)
  9. Tokyo's Tokyo(2009/3/4)
  10. 旅の図書館(2009/2/12)
  11. 南益行の「観光図書館論(2009/1/27)
  12. 旅人のための図書館を夢想する(2008/12/27)
  13. 蛇足 「八重山図書館考」(2008/10/10)