旅人のための図書館を夢想する

今年の12月16日、某勉強会で「旅人のための図書館を夢想する」という5分のスピーチをしたので、その内容を掲載しておきます。このテーマについては、日本有数の観光地・奈良の出身としても、サラリーマン・バックパッカ―としても、図書館業界に身を置く人間としても、来年あたり、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

■旅人のための図書館を夢想する

1.旅人の情報収集
 ・ガイドブック、口コミ、情報ノート、古本、インターネット(ニュース、掲示板、メール、SNS
 ・情報は、交通の要衝近くに発生する安宿街に集まることが多い。

2.旅人のための図書館
 (1)2005年石垣島への旅
 ・離島桟橋(ここから八重山の各島へ)近くの石垣島市立図書館で、情報収集&勉強&暇つぶし
 ・これまで、旅人のための図書館は見たことない→旅人のための情報ステーションとしての図書館があってもよいのでは
 (2)旅人のための図書館の要件
 ・(A)旅行者がよく通過する街であること、(B)交通拠点の側にあること

3.観光と図書館
 (1) ARG岡本真さんの講演(08/9/3京都図書館大会)
   http://d.hatena.ne.jp/arg/20080908/1220885898
 ・<下調べ>→<旅>というプロセスにおける観光情報のプロバイダとしての図書館の不在
 ・既存の観光情報源と図書館の持つ観光情報源のマッシュアップ&提供の可能性
 (2) 奈良県立図書館の構想(08/11/3館長記者会見)―奈良の滞在観光を促進する観点
 ・ホテル日航奈良で「千田稔が選ぶ20冊」の宿泊者への貸出サービスを行う構想
   http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-118.html

4.利用者としての旅人
 ・中小の図書館は、その地域や立地に応じて、様々な形態があっていい(ex.昼間人口にターゲットを置いた千代田区立図書館の戦略)。
 ・その街を訪れる人間が住民よりはるかに多いような観光地の場合は、旅人(観光客ユーザ)に焦点を絞ったサービスするというのも面白い。

元ネタ;
2008/10/10 「蛇足 「八重山図書館考」」
http://d.hatena.ne.jp/yashimaru/20081010
参考;
ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版
2008/10/11 「2008-10-10(Fri): 図書館による観光支援の可能性と実施例」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081011/1223715473
2008/12/27 「2008-12-23(Tue): 図書館による観光支援の可能性と実施例(2)」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081227/1230348108

※09/1/23 追記;
ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版
2009/1/19 「2009-01-19(Mon):図書館による観光支援の可能性と実施例(3)−奈良県立図書情報館による観光支援」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090123/1232665312

※09/2/6 追記;
地球アパートメント @Casa de Banano
2006/1/21 「旅先で行く図書館」
http://www.casadebanano.com/2006/01/post_dd91.html

旅先で観光の資料や記憶に残すための書籍を求めるのに、その土地の本屋に立ち寄ることは一般的にあると思う。が、もし時間があれば、一歩すすめて地元の図書館に立ち寄ることをおすすめします!
地元でしか収集できないディープな情報に出会える可能性、高し。
私は、旅行先で見た建築(現代建築だけではなく、寺、城、町並みなども)の図面が欲しくなった時にその地の図書館にいったりするのだけど、もっと時間があれば、そのほか郷土料理・民芸・祭りなどの面白い資料も探してみたいと思っている。

※10/5/2追記;
カーリルAPIコンテスト24_飛び入り参加_白石啓_図書館を観光スポットに!
http://www.slideshare.net/caliljp/arg-3925962