ON THE ROAD

#115

2011.1 Jerusalem, Israel. ただひたすら見る。必要なことはそれだけなのかもしれない、と思えてきたのだ。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/04/28メディア: 文庫購入…

#114

2011.1 Jerusalem, Israel. すべてはもう手遅れだ。人生と同じように、旅もまた二度と同じことをやり直すわけにはいかないのだから・・・。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮…

#113

2011.1 Jerusalem, Israel. あるいは、彼らも人生における執行猶予の時間が欲しくて旅に出たのかもしれない。だが、旅に出たからといって何かが見つかると決まったものでもない。まして、帰ってからのことなど予測できるはずもない。 沢木耕太郎『深夜特急』…

#112

2011.1 Jerusalem, Israel. 自分はなんだってこのような旅に出てきてしまったのだろうという、当然わかっているつもりのことが曖昧になってきた。あるいは、曖昧になったのではなく、日本を出る、とにかく出る、ということに夢中になっていて今まで一度もき…

#111

2011.1 Jerusalem, Israel. 急ぐ必要はないのだ。行きたいところに行き、見たいものを見る。それで日本に帰るのが遅くなろうとも、心を残してまで急ぐよりはどれだけいいかわからない。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮…

#110

2011.1 Jerusalem, Israel. さまざまな場所へ行き、うろつき廻った。見たり、食べたりもした。しかし、それはそれだけのことで、街の印象がひとつにまとまっていく役には立たない。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫…

#109

2011.2 Jerusalem, Israel. 仕事でもなく、勉学でもなく、ただほっつき歩くためだけに異国に来ている若僧が、俺には金がないなどという台詞を吐いたら、それはずいぶんいい気なものではないか、と思われても仕方のないことだった。 沢木耕太郎『深夜特急』 …

#108

2011.1 Jerusalem, Israel. 乗るか乗らないかは、単なる選択の問題にすぎなくなった。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03/30メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 199回こ…

#107

2011.1 Jerusalem, Israel. 日がたつにつれて、しだいに身が軽くなっていくように感じられる。言葉をひとつ覚えるだけで、乗物にひとつ乗れるようになるだけで、これほど自由になれるとは思ってもいなかった。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マ…

#106

2011.1 Jerusalem, Israel. 私は歩き、眺め、話し、笑い、食べ、呑んだ。どこへ行っても、誰かがいて、何かがあった。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03/30メディア: 文…

#105

2011.2 Jerusalem, Israel. <さてこれからどうしよう…>そう思った瞬間、ふっと体が軽くなったような気がした。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03/30メディア: 文庫購…

#104

2011.2 Jerusalem, Israel. トーマス・クック社の『時刻表』を参考にして、一度はコースの大まかなスケッチをしかけたこともあったが、途中で馬鹿ばかしくなってやめてしまった。その通りに動くくらいなら、このような旅をする必要がないではないか、と思え…

#103

2011.2 Jerusalem, Israel. 人のためにもならず、学問の進歩に役だつわけでもなく、真実をきわめることもなく、血沸き肉踊る冒険大活劇でもなく、まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかし、およそ酔狂な奴でなくてはしそうもないことを、やりたかった…

#102

2011.2 Jerusalem, Israel. 早く、できるだけ早く、ここから出て行かなければならない。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03/30メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 199回…

#101

2011.2 Istnabul, Turky. 私は迷いながら、しかしいつまでもその迷いを宙づりにしたままデリーにとどまり、その日その日を無為に過ごしていた。 沢木耕太郎『深夜特急』 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日…

#100

2010.9 Ghent, Belgium. 自分の住んでいるところから遠くに何かあるという気がするんですね。 高倉健 from沢木耕太郎『貧乏だけど贅沢』 大きな地図で見る 貧乏だけど贅沢作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/02メディア: 単行本 クリッ…

#99

2010.8 Amsterdam, Netherland. いま自分はヤバイかなと思っているんです。出入りする活力を失いつつあるような気がしてね。 此経啓助 from沢木耕太郎『貧乏だけど贅沢』 大きな地図で見る 貧乏だけど贅沢作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: …

#98

2010.8 Ghent, Belgium. 我々は、日本という絶対逃れられない起点を持ち、そこからサムシング・ハプンズの世界のほうへ入っていく。境界を越えて違う種類の世界へ自分が踏み込んでいく、そのときに僕は旅というものを自覚します。 今福龍太 from沢木耕太郎『…

#97

2001.12 Dhaka, Bangladesh. 余は、平生旅行を好むの癖あり。何事も目新しき境遇に出逢いては、陳腐なる脳底の想像もいつとなく革新せられて、勇壮の気分を養いなすものなり。 吉田正春『回疆探検 ペルシャの旅』 大きな地図で見る 回疆探検 ペルシャの旅 (…

#96

2009.9 Helsinki, Finland. 東風が強くなった。自分は羊と宝物の間で迷っている、と少年は思った。彼は今まで慣れ親しんできたものと、これから欲しいと思っているものとどりらかを、選択しなければならなかった。 パウロ・コエーリョ『アルケミスト:夢を旅…

#95

2009.9 Helsinki, Finland. 世界は大きくて、無尽蔵だった。しばらく羊たちに、行き先を自由にまかせておけば、彼は何かおもしろいものを見つけ出した。問題は、羊たちは毎日新しい道を歩いているということに、気がついていないことだった。彼らは新しい場…

#94

2009.9 Suomenlinna, Finland. 少年は父親の目の中に、自分も世界を旅したいという望みがあるのを見た。それは、何十年もの間、飲み水と食べるものと、毎晩眠るための一軒の家を確保するために深くしまいこまれていたものの、今もまだ捨てきれていない望みだ…

#93

2009.9 Suomenlinna, Finland. 世界中から旅人がこの町を通り過ぎていったではないか。彼らは何か新しいものを探しに来る。しかし、帰る時も、彼らは基本的には来た時と同じままだ。彼らは城を見るために山に登る。そして、私たちが今もっているものより、昔…

#92

2009.9 Tampere, Finland. 男と時間、そこには何のコネクションもない。男たちに重要なのは、自由と土地だけだ。たとえば僕の父親にはニューハンプシャーだけだ・・・原因と結果、心と魂、果てしない問題への表面的な答だけがそこにはある。 ジャック・ケル…

#91

2009.9 Helsinki, Finland. 良識を持ち、健全に暮らすこと、きちんとした食事、規則正しい時間で生きること。仕事を持ち、信念と希望を抱く。俺はそいいったことを常に信じて生きてきた。これはちょっとした驚きだが、俺はこういったことをきちんと信じる人…

#90

2009.9 Helsinki, Finland. 帰って結婚でもしろよ。冷たい冬がやってくる前に。 ジャック・ケルアック(1950年6月のメモより) 大きな地図で見る ケルアックに学べ 「オン・ザ・ロード」を読み解く6つのレッスン (P‐Vine Books)作者: ジョン・リーランド,今…

#89

2009.9 Helsinki, Finland. 運転なんてできないが、書くことはできる。 ジャック・ケルアック(ニール・キャサディへの手紙より) 大きな地図で見る ケルアックに学べ 「オン・ザ・ロード」を読み解く6つのレッスン (P‐Vine Books)作者: ジョン・リーランド,…

#88

2007.10 KanDing, Tibet. そうした旅人は、ときに亡命者と呼ばれ、ときに難民と呼ばれ、ときにディアスポラ(離散)の民とよばれるだろう。だがそれらは、現実における亡命や難民の経験を直接意味しているのでもない。旅の可能性はすべての現代人に向かって…

#87

2007.10 Lithang, Tibet. 交差点から旅は生まれる。 今福龍太『クレオール主義』 大きな地図で見る クレオール主義 (ちくま学芸文庫)作者: 今福龍太出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/05メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 26回この商品を含むブログ (5…

#86

2007.6 Ubud, Bali. 自己のなかを越境すること。自らの土地へのイミグレーションをこころみること。そうした行為の果てに、わたしたちは固定的で同質的な「場所」や「文化」のロジックから自由になったヘテロなものが共棲する一つの新しい認識の風景を手に入…