もの珍しかったり、目先が変わったりするのと反対で、旅をしている時、或る場所がいつ来て見ても同じであること位、嬉しいものはない。
吉田健一「人間らしい生活」
- 作者: 吉田健一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/02/21
- メディア: 文庫
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もの珍しかったり、目先が変わったりするのと反対で、旅をしている時、或る場所がいつ来て見ても同じであること位、嬉しいものはない。
吉田健一「人間らしい生活」
2015.10 Yamato-Saidaiji, Japan.
どうあっても間違いないことは、我々が汽車その他から降りた場所は、我々が住んでいる所ではないということである。
吉田健一「帰郷」
旅行をする時には、普通はどうでもいいようなことが大事であるらしい。
吉田健一「道草」
旅行をするときは、気が付いて見たら汽車に乗っていたという風にありたいものである。
吉田健一「金沢」
(47) 2017/6/9 高円寺HACO 内田伸穂(ソフトバンクロボティクス)「ロボットと体験・意識・ビジネス」
今回はロボットをテーマに選びました。
街で見かけても、観光客とお子様以外には見向きもされなくなっている、人型ロボット。鉄腕アトムやドラえもんに親しんだ私たちが期待するものは、このレベルではないはず。果たしてこれからインパクトをもたらす存在になっていくのでしょうか。
人型ロボットが世に出たことで、人々の体験や意識の変化が進行し、様々な企業がロボットのビジネス活用を模索しています。その実情を知ることで、「人型ロボットのいる世界」が私たち自身をどんな影響をもたらしていくのか想像してみませんか。
日本IBM、デロイトトーマツコンサルティング自動車産業担当、東南アジア駐在を経て、現在ロボティクス産業を満喫している内田さんに、事業目線でロボットについて語っていただきます(図書館や教育機関の事例にも言及していただきます)。
「人型ロボット」の当面の活用場面としては、人間とのコミュニケーションに最適化しようとしたデバイスとして*1、人間の「代わり」というより「補助」という立ち位置で、同じことを繰り返すようなコミュニケーションが必要とされる場面で力を発揮しそう…という印象です。個人的には、図書館などのシニア層・キッズ層が一定数おとずれる公共施設や、(規制は厳しそうですが)介護施設での活用の可能性を強く感じました。今、そこかしこで見かけるPEPPER君の海外展開はこれからだそうです。生活習慣や規制などが日本と異なる各国でどのように使われ、そしてどう可能性が広がっていくのかも楽しみです。
また、ロボットに積極的に投資するソフトバンクのスタンスも興味深いです。人工知能の開発に投資するGoogleやIBM、MicrosoftといったIT巨人とどうつきあっていくのか、そして将来の勢力図はどうなっていくのかも楽しみです。
- 勉強会@中央線RT2017〜卯月(2017/4/21) (46)
- 勉強会@中央線RT2016〜忘年編(2016/12/1) (45)
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*1:「人型」という形状自体が面白いですね。その形状をしているだけで、人間側が勝手に様々な感情を移入してくるので。
このネタの投稿はかなり久しぶりだが、前エントリー「和田万吉の「旅客の為めに図書館(2012/8/15)」の続きを、備忘をかねて。
シベリア鉄道紀行史―アジアとヨーロッパを結ぶ旅 (筑摩選書)
この試みがどうなったのかは分からないが、日本で列車内の図書室があまり広まらなかったことを踏まえると、イマイチな結果だったのだろう。
前のエントリー紹介した坪谷善四郎の「汽車内備附図書に就ての希望」(1918年)も、もしかしたらこのときの試みを参考にしたものだったのかもしれない。
とは言え、「汽車に図書室を設ける」というアイデアだけに限れば、もう少し遡ることができる。1900年(明治33年)の朝日新聞に「貸出図書館設立の計画」という記事があり、ここには、
という趣旨のことが書かれている。
この記事の最大のツッコミどころは「株式会社貸出図書館」という企画そのものなのだが、これについてはまた改めて。
- 和田万吉の「旅客の為めに図書館(2012/8/15)
- 『図書館雑誌』2012年8月号に「マレビト・サービス」を執筆(2012/8/14)
- マレビトサービス#2:西牟田靖編(2011/5/15)
- 同時多発的お花見ストリーム/マレビトサービス#1:石田ゆうすけ編(2011/4/7)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第三回研究会(2011/3/25)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第二回研究会(2011/2/22)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会第一回研究会(2011/1/23)
- 地域と観光に関する情報サービス研究会(マレビトの会)発足(2011/1/11)
- 図書館と観光:その融合がもたらすもの(2010/12/27)
- Airport Library @スキポール空港(2010/9/8)
- 鼎談「まちづくり・観光・図書館」(2010/7/5)
- 観光と図書館の融合の可能性についての考察(2010/5/1)
- アーバンツーリズムと図書館(2009/3/24)
- Tokyo's Tokyo(2009/3/4)
- 旅の図書館(2009/2/12)
- 南益行の「観光図書館論(2009/1/27)
- 旅人のための図書館を夢想する(2008/12/27)
- 蛇足 「八重山図書館考」(2008/10/10)
柳本浩市展「アーキヴィスト―柳本浩市さんが残してくれたもの」に行ってきた。
柳本さんと最初にお会いしたのは、「何に着目すべきか」というイベントの壇上。友人に声をかけてもらって何の予備知識も無いままに柳本さんと対話したのだが、自分の体調が良くなかったこともあり、その場は消化不良に終わってしまった。正直、何を話したのかももう覚えていないが、「集める」「残す」ということの意味について、とても話の合う人だと思った記憶がある(展示場で販売されている冊子に、この時の対話を柳本さんが振り返るインタビューが掲載されている)。
その後、(とある集まりで顔を合わせて挨拶したものの)しばらくご無沙汰してしまっていたところにメールをもらい、柳本さんの対談をすることになった。対談自体は、自分としても仕事やその周辺の活動ばかりでなく、大学時代に歴史学を勉強していたことまで芋づる式にリンクしていく、非常に刺激的なものだったのだが、同時に、そこで初めて、コレクター、キュレーターそしてビジネスマンとしての柳本さんを知ったのだった。
共創がメディアを変える コミュニケーションで紡ぐ新しい電子出版
柳本浩市展
会期: 2017年4月29日(土)− 6月4日(日) ※会期中無休
時間:12:00-18:00
会場:six factory(約250m2)
東京都目黒区八雲3-23-20
入場料:一般500円、大学生200円(学生証提示)、高校生以下無料
主催: 柳本浩市展実行委員会
協力: 株式会社 良品計画